ランニング人口は右肩上がりに伸びており、週1回で走る人は467万人いると推測されています。ジョギング・ランニングは身近な趣味・習慣です。走ることでどのような効果が得られるのでしょうか。今回はランニングで得られる効果は始め方、続け方について紹介します。
ジョギング・ランニングで得られる効果
メタボリックシンドロームの改善
仕事が忙しいあまり運動不足に陥り、肥満気味な体型になりがちな社会人。肥満は糖尿病や心疾患、脳疾患などのリスクを高めてしまいます。
ジョギング・ランニングには悪玉コレステロールを血液から肝臓に移動させ、排泄する働きのある酵素を刺激。また、善玉コレステロールの増加も促す効果があり、コレステロール値を改善することで脂肪による脳卒中、高血圧、心臓病のリスクを減少してくれます。
免疫力・睡眠の質がアップ
運動には免疫機能の向上というメリットがあるため、秋から冬に差し掛かる時期、風邪をひきやすくなる方におすすめです。ジョギング・ランニングを始めたらよく眠れるようになったという声もよく聞きます。睡眠時間だけではなく、質もよくなります。走ることは距離やスピードが少なくても全身を使った運動なので意外と疲労しますが、身体は疲れると回復しようとするため、眠くなるわけです。寝ている間に身体は修復され、疲労回復します。
ダイエット効果
走ることで筋肉量が増えると生命維持のために消費する基礎代謝量が増え、普段の生活でも消費するカロリーは筋肉が増える前より高くなります。
ダイエットに関しては、開始初期の筋肉増加量による基礎代謝向上よりも、運動での活動代謝量増加でカロリー消費の効果が高いと考えられます。
特に朝の食事前のランニングを継続することでダイエット効果がより期待できるでしょう。理由は寝ている間に胃の中が空っぽになることで、脂肪をエネルギーに変えてくれることが影響します。ただし、起床後の運動は体調を見ながら無理なく行ってください。脂肪は体温が高い状態が燃焼しやすいので、ゆっくり走りながら負荷をかけたほうが、脂肪は燃焼しやすくなります。
自己肯定感につながる
人は目標を設定し達成すると、自己評価が高まり、自信につながります。ですので、ランニングは自信を高めるのに有効な手段なのです。自らの目標を設定して達成することで、精神状態にプラスされ、日々のモチベーションアップにつながります。
ジョギングとランニングの違いとは
ジョギングとランニング。同じように走ることですが何が違うのでしょうか。この二つは目的と運動強度によって大きな差があります。ウォーキングの延長でゆっくり走るのがジョギング、さらに速く走るのがランニングです。
健康増進や準備運動としてしゃべれながら走れるくらいのスピードで走るのがジョギング。レース出場を目的に息が弾むほどのスピードで走るのがランニングといえるでしょう。
ジョギング・ランニングの始め方
健康や美容と様々な効果が期待できるジョギング・ランニング。実際に走ろうと思ったら何をそろえればいいのでしょうか。ランニング初心者に向けて、具体的なランニングの始め方を紹介します。
道具をそろえる
走ることを始めるなら、足にかかる負担を軽減してくれるランニングシューズは欠かせません。スニーカーやバスケットシューズなどで走ることはできますが、足の負担を考えるとランニングシューズがおすすめです。
また、汗の吸水性が高く、速乾性に優れたランニング用のウェアを着用すると、汗をかいても気持ちよくランニングを続けられます。
ソックスは一般用でもかまいませんが、走っている最中にずれたり、蒸れたりと走りに集中できなくなるかもしれません。通気性が高くずれにくい、ランニング用ソックスを履くことをおすすめします。
ランニングシューズやウェア、ソックスは各スポーツメーカーが出しているので、揃えると気分が高まり走ることが楽しくなりますよ。
予定を立てる
ランニングに必要な道具をそろえたら、ランニングに向けた計画を練っていきましょう。走る時間帯・距離・走る日です。初心者の人は、まずウォーキングを含めて30分走ることを目標にしてください。徐々に歩く時間を減らし、走る距離や時間を伸ばしながら、ゆっくり始めるといいでしょう。
走る日は週2～3日程度を目安にし、走らない日を3日以上開けないことがポイントです。無理のないスケジュールで進められれば挫折しにくくなります。
ランニングコースを決める
ランニングの準備をしたら、近所に走るのに適したコースがあるのが調べます。ランニングに適したコースとは、歩道が整備され、十分なスペースが確保されている場所です。運動公園のランニングコースがいいでしょう。もしくは、海岸線路沿いや湖沿い、足場が整った林道など、景色がきれいな場所もモチベーションアップとなります。
複数のランニングコースがあると、その時の気分でランニングを楽しめるでしょう。
ランニングシューズの選び方
快適な走りをサポートする上で欠かせないアイテムがランニングシューズです。足への衝撃を和らげ、足首をサポートする効果が期待できます。上級モデルになるとスピードを出すためにカーボンが内蔵されていたりと走りに適した機能が盛り込まれているのが特徴です。初級者向けから、上級者向けまでさまざまなランニングシューズが販売されています。しかし、たくさんの種類があって何をどう選べばいいのかわからないという人は多いのではないでしょうか。
そこで、ランニングシューズの選び方についてご紹介します。
自分の足の形から選ぶ
自分にあったランニングシューズを見つけるためには、まず自分の足の形を確認することです。自分の足にどのような特徴があって、どの部分に注意してランニングシューズを選ぶのか重要なポイントとなります。足の形は人それぞれなので、足のタイプによって自分にあうランニングシューズも異なります。そこで確認しておきたいのが足長（サイズ）・足囲（ワイズ）・足幅です。特に確認しておきたいのが足長と足囲です。日本ではJIS規格によって足長と足囲をもとに靴のサイズが決められています。ランニングシューズは横幅が狭いものから広いものまで種類があるので、自分の足幅にあったシューズを選びましょう。
クッション性や安定性から選ぶ
ランニング初心者は足にかかる衝撃や負担をできるだけ軽減するため、クッション性や安定性の高いランニングシューズが適しています。クッション性の高いランニングシューズはソールが厚くなっているためシューズ自体はやや重めの傾向です。
しかし、最新のランニングシューズはソールが厚くても、軽量なモデルがリリースされるようになりました。
ランニングシューズを試着する
ランニングシューズを購入する前に、必ず試着しましょう。スニーカーだと余裕を持ったサイズでも問題ありませんが、ランニングシューズはフィット感が大切です。
メーカーやシリーズによってフィット感が異なるので、失敗しないためにも一度履いて試してみるといいでしょう。また、足の大きさは午前と午後で微妙に違います。足がむくみやすい方は、できるだけランニングしている時間と近い時間に試着してみてください。試着時は少し店内で歩かせてもらうなど、実際に走る感覚で試すと失敗しにくくなります。
走ることを継続させるためのポイント
何か始めると三日坊主になりがちです。高価な道具が必要な趣味だと元を取るため継続しやすいですが、ランニングの場合気軽に始める分、辞めやすく継続しにくいという声を多く聞きます。そこでランニングを継続するコツを紹介します。
距離より時間
フルマラソンやハーフマランのような競技大会は、距離別に種目が設定されているため、ランニングは距離を走るものと考えがちです。そこで、最初は「今日は30分走ろう」といった具合に、時間重視で走ることをおすすめします。1回30分なら時間を作りやすいですし、無理なく始められるでしょう。ウォーキングを含めてもいいので、無理せず30分以上続けることが大切です。20分以上、運動することで有酸素運動になるので、30分を目安にすることで身体の変化も実感できます。
スピードを意識しない
ランニング初心者が勘違いしやすいのは学生時代、息の上がるようなスピードで走ることをランニングと思いがちです。健康効果を期待する場合、例えば2kmを負担の軽い15分で走っても十分なので、スピードは意識しないようにしましょう。
ただ、ランニングを続けていると楽しくなり、もっと走りたくなる瞬間が訪れます。そうなった時にスピードを意識するといいでしょう。最初は1km8分ほどのスピードで、徐々にスピードアップしていき、1km6分台まで近づければ初心者期間は終わりと考えてもいいと思います。
ランニング仲間を作る
ランニングは1人でもできるスポーツですが、仲間と走ると楽しく走れます。各地にたくさんのランニングクラブがあるので、探してみるといいでしょう。クラブ内には同じくらいの走力のメンバーがいれば、モチベーションアップにつながり、ベテランランナーから色々教えてもらうこともできます。
ランニングクラブへの加入にハードルを感じるなら、ランニング教室や街ランのようなイベントにエントリーしてはどうでしょうか。初心者でも参加しやすいですし、単発なのであと腐れなくて気軽です。フォームや練習法をレクチャーする教室に何度か参加すれば、疑問が解消できて自己流走法の弱点もカバーできます。
ランニングを始めようと思っても習慣になるまで面倒と思いがちです。初心者のうちはスピードを意識するよりもゆっくり走ることを意識に目を向けて、続けていきましょう。きついという感覚が徐々に楽しく変化しますよ。効果が出てくるまでに時間がかかりますが、長く続けることで確実にダイエット効果や体力向上があらわれます。楽しいと思えるまで続けていきましょう。
